歴史を紡ぐ本格的和室と家族の愛を育むLDKが共存する家

小上がり、リビング、ダイニングは1つの空間にありつつも、それぞれ独自の趣を持っている。家族それぞれがその時の気分に合わせて自由に過ごせる。木の色と白い壁、木々の緑といったナチュラスな色合いの中に、大きな窓の黒い縁がアクセントを加えている。細い窓を採用し、小上がりの部分では横向き、ダイニング部分では縦向きの窓を設置して、こちらもアクセントになっている。形や大きさだけでなく窓の配置は風通しにも配慮されており、心地よい風が家中を抜ける。

キッチン側からリビング・ダイニングや小上がりが一望できるように設計されている。小上がりの収納は「日頃は開けておいたほうが使いやすいですし、隠したい時はロールスクリーンを閉じるだけでも済むので」と、オープンにして、板の間も設けた。「扉をつけるよりもコストを抑えられます」と奥様。

写真右のカーテン部分は、パントリーを設けているのでキッチンの収納は最小限に抑え、奥様が取り入れたかったという飾り棚を設置することができた。ここは、奥様の憧れと好みが詰まったお洒落な飾り棚に仕上がった。
パントリーは大きなスペースを確保した。「来客などがあり、キッチンが片付いていないと困った時は全部ここに。主人もビールを箱で買ってきてここに置いてます」と奥様。勝手口もあり、荷物の搬入やゴミ出しにも大変便利だ。高さを変更できる可動式の棚と重たい物も乗せられる固定式の棚と両方採用することで重たい物や高さがある物でもしっかり収納できるようになった。
広い玄関はL字型の框があるため、ご家族全員で同時に準備して出かけられる。収納は使い勝手
を考えてオープンにした。お子様が操作しても指を挟んだりする心配がないので、お子様の「自分でやりたい」を安心して見守ることができる。
玄関正面には、大谷石風の壁がお出迎え。存在感がありながらホール全体の色味にも合っていてとてもいい雰囲気を出している。玄関正面左にある障子を開くと和室がある。お客様を招き入れるにも便利。

本格的な和室には、広縁を設けると共に、立派な仏壇が納まる仏間も設けた。木の雰囲気に合わせて壁も色味を考えたが、今後のメンテナンスのことも考えてクロスを採用した。

床の間、垂れ壁の下を飾る「落とし掛け」が見事。ご主人のおじい様が建てた家の和室に飾られていたものを移築した。「大切にしたい」という思いから「落とし掛け」に似合うように和室を考えた。床の間の傍、窓にはこれも見事な組子細工が施された障子と欄間。こちらの「落とし掛け」と同じく受け継いだもの。広縁からの明かりが入りとても綺麗。

広縁は明かりが差し込み、とても暖かく明るい雰囲気のくつろぎ空間になっている。

広縁は明かりが差し込み、とても暖かく明るい雰囲気のくつろぎ空間になっている。

寝室には腰壁を10㎝ほど前に出して棚をつくった。コンセントを設置したので携帯などを置くのに便利。クローゼットはオープンタイプと戸付きの両方を設置。「季節ごとに入れ替えて今使うものをオープンな方に置いています」とのこと。隣同士でクローゼットを設けたので入れ替えも便利。
ファミリークローゼットは水回りの向かい側。寝室のすぐ外に設置。入浴時や外出準備に移動距離が短くて、とても便利。洗濯室からも近いので収納も楽々
寝室のすぐ横にトイレを設けた。音を心配していたが、気になることもなく過ごせているという。お子様が3人いることから洗面と脱衣室(写真右)を分けた。洗濯は、乾燥機があるのでスペースは広くなくても足りる。洗濯室の奥が浴室に繋がっていて浴室でお子様が服を脱いでから「トイレ行きたい」と言い出しても最短距離でいくことができる。

2階にはトイレと手洗いを向かい合わせに設置した。タオル掛け、ライト、鏡など1つ1つ個性的で楽しみながら選んだことがうかがえる。ライトの影も可愛らしい

子ども部屋。女の子2人の部屋はクローゼット2つ用意した。どう使うかはお子様が大きくなってから考えるという。横に広い窓からは景色がよく見え木々が楽しめる。
こちらは、男の子の部屋という想定だが、大きくなった時にどの部屋を使うか決められるように同じくクローゼットを設けている。窓の外には布団干し用のバーを設置して布団など大きい物が干せるようになっている。

日常生活の大部分を1階で過ごせるように設計した。2階には、子どもの部屋のみがあり、そのため1階と2階の大きさが異なるユニークな形状が生まれている。屋根を斜めにデザインし、白と黒を使って張り合わせることでアクセントをつけた。1階リビングと2階子ども部屋の窓の幅を揃えることで外観の調和をもたらしている。